ちょっと一息         (15) GRANT GREEN BN 未発表シリーズ


かってイラスト・ジャケットによる日本盤でリリースされたグリーンのBN 未発表LPは僕の知る限りでは、次の6枚である。

1.REMEMBERING (GXF 3071) <1961 .8. 29>
2.GOODEN’S CORNER (GXF 3058)  <1961. 12. 23>
3.NIGERIA (GXK 8180)  <1962. 1. 13>
4.OLEO (GXF 3065) <1962. 1. 31>
5.MATADOR (GXF 3053)  <1964. 5. 20> (1965. 5. 20の説もあり)
6.SOLID (GXK 8187)  <1964 .6. 12>

その内、現在所有しているLPは、下の3枚だけです。残りの3枚は良く似たイラスト・ジャケットと、記憶の曖昧さもあり、買い逃している。
まぁ、このシリーズにあまり執着心がないのだろう。でも‘SOLID’はメンツの興味もあり、チョット狙っている。

NIGERIA (GXK 8180)

GRANT GREEN (b) SONNY CLARK (p) SAM JONES (b) ART BLAKERY (ds)

Side A
* AIREGIN    * IT AIN’T NECESSARILY SO
Side B
* I CONCENTRATE ON YOU   * THE THING WE DID LAST SUMMER
* THE SONG IS YOU 

1962. 1. 13

OLEO (GXF 3065)

GRANT GREEN (b) SONNY CLARK (p) SAM JONES (b) LOUIS HAYES (ds)

1962. 1. 31

Side A
* OLEO  * LITTLE GIRL BLUE  * TUNE UP
Side B
* HIP FUNK  * MY FAVORITE THINGS

MATADOR (GXF 3053)

GRANT GREEN (b) McCOY TYNER (p) BOB CRANSHAW (b) ELVIN JONES (ds)

1964. 5. 20

Side A
* MATADOR   * MY FAVORITE THINGS
Side B
* GREEN JEANS  * BEDOUIN


グリーンとブレイキーの最初で最後?の共演だが、クラークとブレイキーの相性運はあまり良くないようだ。二人の共演は本作の他に2枚有るが、全て当時「お蔵入り」している。
その2枚とは、‘MINOR MOVE / TINA BROOKS’と‘MY CONCEPTION / SONNY CLARK’である。
なお、本作のタイトルはトップ曲‘AIREGIN’の元綴りです。

グリーンとクラークの相性も思いの外、良くなかったようで、‘GOODEN’S CORNER’‘NIGERIA’、 ‘OLEO’の3連荘とこれも後年、リリースされたケベックの入った‘BORN TO BE BLUE’と立て続けオクラにされている。BNは厳格なレコード作りがされたと言われるが、厳格だったのは、実はリリース・ポリシーの方だったと言える。

「お蔵入り」作品の殆どが、ライナーノーツ等でよく「どうして未発表になったか、その理由が解らない好演盤」とリップ・サービス紹介されているが、やはり、それなりの原因がある。

では、本作が「お蔵」にされた理由はなんだったのだろう。ジャケットのイラストを良く見てみよう。gが迫り出している。そう、当時、コルトレーン・グループのマッコイ、エルヴィンに刺激され、グリーンのキビキビとしてダイナミックなプレイが聴かれ、反面、彼の持ち味でもある寛ぎに満ちたアーシーさが薄れている。その「シビアさ」が逆に命取りになったのだろう。そうとしか考えられない快作である。イヤー、レコードのリリースは難しいなぁ。

エルヴィンとは、グリーンの初吹込み(JIMMY FORRESTのデルマーク盤)で共演している仲でもあり、上2枚のブレイキー、ヘイズより息が合っている。
それにしても、
‘MATADOR’でのマッコイのピアノ・ソロは聴きものです。この頃が一番良かったのでは?
いずれにしても、数少ない「どうして未発表になったか、その理由が解らない好演盤」であることに違いない。但し、あのアーシーなグリーンを期待する向きとはやや好みが違うかな?

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(2005. 8. 18)

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