(2006.8.9)
こちらには、‘Bags' Groove’、‘Night In Tunisia’とこれまたお馴染みのジャズ・スタンダード・ナンバーが収録されている。
何故、レーベルの異なる2枚に分散させたのだろう?
いずれにしてもロリンズの知られざる異色作には違いない。
ATLANTIC SD 1299
マサチューセッツ州レノックスのミュージック・インでライヴ・レコーディングされたロリンズがMJQのゲストとして参加した音源はどうした訳か、二つのアルバムに分散された。6曲中、4曲が本作に、残りの2曲が下のアルバムに収められている。
58年と言えばロリンズにとって一つの節目となる年で、本作の約二ヵ月後、‘CONTEMPORARY
LEADERS’を吹き込んだ後、62年の‘THE BRIDGE’まで正式アルバムはない。言い換えると、ロリンズ、50年代最後期の作品に当たる。
その割には、あまりフォーカスされることのない作品だが、僕は結構好きですね。
同じメトロでも‘THE BIG BRASS’はB面が通の間で隠れた名演と評価が高く、その影に隠れた形になっている。まぁ、エドワーズの2曲が入った分、やや統一感に欠ける点も否めないようだ。
ここでのロリンズはMJQ(のメンバー)をバックにしたせいもあり、あの豪放磊落なプレイよりも、センシティヴなソロ構成が全面に浮き彫りにされている。このあたりが大らかなロリンズ節を期待する向きにはちょっと物足りないかもしれないなぁ。
でもそこが本作の聴き所でもある。
収録曲は‘Doxy’、‘Limehouse Blues’、‘I'll Follow My Secret Heart’、‘You Are Too Beautiful’とお馴染みの4曲。
実に丁寧な吹き方だ。但し、借りてきた猫のようだ、と言う揶揄は当てはまらない。並みのテナーSAX奏者なら、とっくに針を上げてしまうが、そこはロリンズ、桁が違う。自然と聴き込まれてしまう。そのあたり、聴衆の反応が能弁に語っている。
B面に2曲収録されたエドワーズのこれもライヴだが、豪放といえばこちらの方が上で、ロリンズぽい。dsのヒギンスの最初期のプレイが聴ける点が貴重である。
* TEDDY EDWARDS (ts) JOE CASTRO (p) LEROY VINNEGAR
(b)
BILLY HIGGINS
(ds)
AT FALCON’S
FAIR,LA 1959
1958. 8. 3
SONNY ROLLINS (ts) JOHN LEWIS (p) PERCY HEATH (b) CONNIE KAY (ds)
METROJAZZ E 1011
AT MUSIC INN / SONNY ROLLINS
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