チョット
気になる一枚 W
ART PEPPER (as) STU WILLIAMSON (vtb) DON FAGERQUIST (tp)
BILL HOLMAN (ts) BUD SHANK (bs) RED CALLENDER (tuba)
RUSS FREEMAN (p) MONTE BUDWIG (b) SHELLY MAN (ds)
CHET BAKER (tp) ART PEPPER (as) RICHIE KAMUCA (ts)
PITE JOLLY (p) LEROY VINNEGAR (b) STAN LEVY (ds)
1956
本作は1979年にリリースされた国内盤。どこが貴重かというとそれまで未発表であった4つの音源が初めてレコード化され、しかも分散していた音源をセッション別にA、B面、それぞれに整理した点である。A面のA・ペッパー・バンドには2つの未発表曲(当時)が含まれている。なお、‘アーティストリー・オブ・ペッパー’とは2曲重複している。問題はB面のベイカー、カミュカとのSEXTETセッションで、以前、‘PLAYBOYS’と同じジャケットで発売され、チョット人騒がせした音源である。本作はその内の4曲(2つは未発表曲)を収録している。
パシフィック・ジャズ・レーベルは音源を分散・編集したり、テープにハサミを入れる頻度も高く、しかも入れ方を違えて分散させたりしてなかなか紛らわしい。例えば、‘アーティストリー・オブ・ペッパー’にも収録されているベイカー、カミュカが抜けたカルテット演奏‘Old
Croix’では同一テイクでありながら本作のほうがペッパーのソロは1と1/4コーラス分長く全体の印象がまったくちがう。しかもそれすらハサミが入っている。まぁ、よほどの研究家以外、このレーベルにはあまり深入りしないほうが無難のようです。
それはそれとして、本作は絶頂期のペッパーを記録しており、スインギーななかにも陰影に富んだペッパーのソロは群を抜いている。SEXTET演奏では、カミュカの参加が嬉しく、ペッパーのオリジナル‘MINOR
YOURS’(未発表曲)では、口の悪い人達から「切りっ放しソロ」と揶揄されるカミュカのソロが聴きもので、名ソロの一つです。
なお、紛らわしいジャケットの本家本元の‘PLAYBOYS’は3カ月後にに録音されている。
ペッパー、ベイカー以外、すべて入れ替わっています。
PS 人騒がせな「SEXSET」演奏のCD(だけ?)のジャケットは、左の‘PLAYBOYS’のロゴ文字の部分が‘CHET BAKER−ART PEPPER’に、‘CHET BAKER&ART PEPPER’の部分がメンバー名に、WPがPACIFIC
JAZZのレーベル・ロゴに替わっただけ。
目が‘パイオツ’にいってそんな事気が付きませんよね。でもそれ狙いだとしたら、このアルバム・デザイナー、なかなかのクセ者ですね。なお、アナログでもリリースされたのでしょうか?