隠れた名盤・好盤

Vee Jay

UXP−87−JY

(TEICHIKU)

FRANK  STROZIER  (as)  WALLACE WILLIAMS (p)  BILL LEE (b)     VERNELL  FOURNIER  (ds)   

1960

1977年に日本のみで、発売になった未発表作品。ほとんどの人は、知らない?であろう。半年前、初リーダー作‘Fantastic’をB・リトルと録音したものの、ヴィージェイの経営情況が思わしくなく、オクラ入りしたもの。
メンバーは‘Fantastic’と比べ、見劣りするもStrozierのasは、
断然こちらの方が鳴っており、ワンホーン・カルテットの魅力を充分に発揮している。
発売当時、買い逃し、ずっとこの蔦とレンガ、そしてランプのジャケットを探していたところ、エサ箱で見つけた時は、嬉しかった。
Strozierのasは、少し軽く、線が細いが、このレコードはリーダーとして、グループをひっぱり、実に朗々と吹いていて、、シナトラの名唱で名高いと言う‘NICE&EASY’では、シナトラに負けず劣らずストロージャーのasは堂々と歌っている。
聴き物です。
オリジナル曲‘ブルース’も素晴らしい。
知られざる名盤の一枚。捜すべし! 
また、なぜ、CD(国内)にして出ないのか、不思議です。

76年、14年ぶりにセクステットを率いてステイプルチェイスからリーダー作を発表した。そのタイトルは、なんと
Remember Me」 ・ ・ ・ ・ ・嗚呼、無常。 

HERE’S FRANK STROZIER / FRANK STROZIER  


THE MASTER / STAN GETZ

(CBS SONY   25AP 2775)

STAN GETS  (ts)  ALBERT DAILY  (p)  CLINT HOUSTON  (b)BILLY HART  (ds)     
Getzと言えば、クール・ジャズとかボサノバの代名詞みたいに扱われるケースが多いが、彼は、根っからのハードバッパー。それを証明したのがこの「THE MASTER」。しかし、時は1975年、幸か不幸か、‘おくら’にされ80年代初旬(1982、3年?)になってやっと発表された。
ヴァーヴの「Plays」に代表されるソフトなプレイは微塵もなく、
ゲッツはやはり男、それも生一本、辛口だ。

4曲中「summer night、lover man、invitation」と、スタンダードが3曲。素晴らしいの一言。逆説的な言い方になるが、だからこの時期、お蔵入りになってしまったのでしょう。
中でも「lover man」、「invitation」の決定的名演が収められているが、
誰も言わないし、知らないのである
それにしても、A・Dailyのピアノの出来の良さはどうだ。最少限の音で最大限の表現、インプロヴィゼーションの極意だ。

本当の隠れた名盤。さあ、あなたなら、どうする。
なお、本盤は、ゲッツ自身がプロデュースもしている。

MINGUS MOVES / CHARLES MINGUS
ATLANTIC   SD-1653
RONALD HAMPTON (tp)  GEORGE ADAMS (ts、fl)  DON PULLEN (p)CHARLES MINGUS (b)  DANNIE RICHMOND (ds)
HONEY GORDON (vo)  DOUG HAMMOND (vo)

いくらなんでも、こんなジャケット、止めてもらいたい。、ミンガスファンはともかく、買う立場になって考えて欲しいものだ。メジャーレーベルのいい加減さが、モロにでている。

さて、本作の聴き所が、アダムス、プーレンという新鋭であることは衆目の一致するところだが、後年、人気者になっていくのも当然と思われる程の二人の熱演が‘アホ・ジャケ’を救っている。プーレンの手品のようなプレイが、、長い間、全く解らず疑問であったが、拳骨甲打法と知ったのは随分後になってからです。

かってのようなギラギラした体臭こそ薄らいでいるものの1本、筋の通った出来映えに仕上っているのもミンガスが「只者」ではない証拠。普段はあまり、と言うか、殆どミンガスは聴かないが、この作品だけは、時折引っ張り出して楽しんでいる。

名盤とする程ではないが、思いがけない好盤として僕は結構、気に入っている。


COLUMBIA  FC 38272

1975

1973

KONITZ MEETS MULLIGAN / LEE KONITZ

PACIFIC JAZZ  PJ 38

LEE KONITZ (as)  GERRY MULLIGAN (bs)CHET BAKER (tp)  
LARRY BUNKER (ds)  CARSON SMITH (b) or JOE MONDRAGON (b)

1953

本盤の聴きものはずばりB面、全篇にフューチュアされるコニッツのas。53年1月30日、ロサンジェルスのクラブ‘ヘイグ’でのライブ。
マリガン、ベイカーは、バックに廻り、コニッツのasが存分に聴ける。
‘Lover Man’、‘I’ll Remember April’、‘ These Foolish Things’等のスタンダード曲が演奏されているが、ラスト・ナンバー
All The Things You Are’での凄みのあるソロは、何と表現したらいいのだろう、泉の如く湧き出るアドリブは鳥肌の立つ思いである。

時折、グラスのぶつかる音が聞こえる中、コニッツのasは無限の世界を描いている。
一際、大きな拍手の主は、まさか、彼が敬愛して止まないパーカーではあるまい。が、そうであっても不思議でないほどの3分55秒、入神のプレイだ。
この演奏を聴かずして、コニッツを語るなかれ。
‘Too Marvelous For Words’も素晴らしい。
 

ps 上がオリジナル、下は、最初の国内盤ジャケット。
79年オリジナル・ジャケットで国内盤がリリースされた。音質は何故か、オリジナルより国内盤の方(特に79年盤)が良い。


INTRODUCING / KENNY GARRETT

CRIS CROSS JAZZ  1014

KENNY GARRETT (as)  WOODY SHAW (tp)  MULGUREW MILLER (p)
NAT REEVES (b)  TONY REEDUS(ds)

1984

‘デビュー作に勝るものなし’という名言がある。これは、その言葉通りの意味ではなく、その作者の基本的スタイルの根源が一番明確に表現されている、という意味と、僕は解釈している。
この作品は、正にその典型である。85年、ブルーノートから「OTB」として、ジャズシーンに踊り出たギャレットを、クリス・クロスは彼の才能をいち早く認め、既に初リーダー作を録音していたのである。
86年の第一回‘Mt' Fuji Jazz Festival’で姿を見せたギャレットは、あるジャム・セッションでその情熱的ソロで、観衆を総立ちにさせた(僕もその場にいました)。そのギャレットがこのレコードに等身大で収められている。
そして、敬愛するHubbardの替わりに入った
W・Shawののtpの凄さは、どうだ、Garrettに触発され、ベストプレイを聴かせてくれる。全トラック、ゆるみが微塵もないハイレベルに驚かされる。
ジャケットは、チョット、ダサイけど、中身は、超一級品です。

数年前、‘PURSUANCE’
でコルトレーンに挑戦し見事に失敗したけれどこの作品の例えば‘lover’、‘a silent prayer’を聴くと決して無謀ではなかった事、また、その資格を有する数少ないミュージシャンである事を立派に証明している。

ps 録音は、なんと「Rudy Van Gelder」。ブルーノートのあのザクッとした迫力は、さすがに無いけれど、結構イケてます。


ps CDの輸入盤でタイトルが変わってリリースされているようですが、音質がかなり悪く、本作の良さが充分に出ていないようです。

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訂正 アルバムNo.PJ−38はオリジナル・ナンバーではなく、3rdプレス・ナンバーでした。申し訳ありません。1stはM−406、2ndはPJ−1273でタイトルも‘MEETS’ではなく‘WITH GERRY MULLIGAN QUARTET’(リスト上)です。これで「音質」の疑問が解けました。なおアート・ブロックのデザインは同じです。また、オリジナル・ジャケットでは‘PLAYS’が加わっているかもしれません。(10/16)
ひょっとしたら、10インチ盤
(PJLP10)が本当のオリジナルではないのかな?ご存知の何方かお教えくださいませ。

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(2003.2.7)

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