独 り 言

(8) ジャズの本道  LEE KONITZ ON STORYVILLE


AT STORYVILLE (STLP 304)

KONITZ (STLP 313)

IN HARVARD SQUARE (STLP 323)

オリジナル10inchジャケット

AT STORYVILLE / LEE KONITZ

TRIO  PA 6002

Side.A 
LEE KONITZ (as)  RONNIE BALL (p)  PETER IND (b)  JEFF MORTON (ds)

1954

Side.B
LEE KONITZ (as)  RONNIE BALL (p)  PERCY HEATH (p)  AL LEVVIT (ds)

1954

タイトルが紛らわしいが本盤はオリジナル10inch盤の<313>と<304>がA面、B面にそれぞれカップリングされた12inch国内盤。ライナーノーツによると本国でもこのジャケットで12inch化されているようにコメントされていますが、確認はできていません。但し、ある資料によると<LP901>で同じジャケットが掲載されており、本盤の右下にもデザイナーのBURT GOLDBLATTのロゴが入っているので多分リリースされていると思いますが、ひょっとして10inchのまま2枚組みでリリースされた可能性もあります。

LEE KONITZ (as)  RONNIE BALL (p)  PERCY HEATH (p)  AL LEVVIT (ds)

1954

1954年1月5日、ボストンのクラブ、ストーリーヴィルで放送用録音されたライヴ演奏。

* HI BECK     THESE FOOLISH THINGS
* SOUND LEE   SUBCONCIOUS LEE

計4曲が収録されている。

LEE KONITZ (as)  RONNIE BALL (p)  PETER IND (b)  JEFF MORTON (ds)

1954

1954年4〜5月、SUMMER、N.Y.C.で録音

* BOP GOES THE LEESEL、EASY LIVING、MEAN TO ME、I'LL REMEMBER APRIL
* 317 EAST 32ND、SKYLARK、NURSERY PHYME、LIMEHOUSE BLUES

計8曲が収録されている。

LEE KONITZ (as)  RONNIE BALL (p)  PETER IND (b)  JEFF MORTON (ds)

1955

1955年2月、ボストンのハーヴァード・スクェアでのライヴ録音。

* NO SPLICE、SHE’S FUNNY THAT WAY、TIME ON MY MIND、FOOLIN’ MYSELF
* RONNIE’ TUNE、FROGGY DAY、MY OLD FLAME  

計7曲が収録されている。

ジャズとはどういう音楽?或いは魅力は何?、と言う素朴な問いに対する簡単明瞭な答がこのコニッツのSTORYVILLE盤に凝縮されている。
つまり「インプロヴィゼーション」だ。コニッツの自宅にはパーカーの写真が一枚飾ってあると言う。パーカーに次ぐモダンアルト奏者にコニッツを挙げる人は多い。だが、その実力に見合った人気には縁遠いのも事実。あまりにも学究的なアドリブに大衆がついて行けなかったのだろう。
しかしこのSTORYVILLE盤ではコニッツはそのストイックな面とスタンダード曲で見せる歌心溢れるリラックスした面の両方に亘って「インプロヴィゼーション」にこぼれんばかりの情熱を傾けており、何の誇張も作為もないナチュラルなその姿勢は聴く人すべての胸を打つ。

それにしてもこのSTORYVILLE盤のジャケットの素晴らしさはどうでしょう。デザイナーのBURT GOLDBLATTのセンスに脱帽です。見ているだけでコニッツのアルトが流れてきそうです。なお僕のは残念ながら再発盤です。

ps TRIO盤と同じジャケットの国内CD盤(94年発売)は、クラブ‘STORYVILLE’で録音された未発表曲、3曲をプラスし、司会者のアナウンスも収録、しかも演奏順(多分)に配して、この日のライヴの全貌を納めている。その3曲がまたイイんです。このCDは一聴の価値、大いに有り。ただし、そのかわり<313>の演奏分は入っていませんので、これぞ正真正銘の‘AT STORYVILLE’です。
また、「音」もややシャリ感があるもののクリアです。それにP・ヒースのベースが実にリアルに出てきて、聴きものです。ヒースってこんなに良かったっけ。


(2004/2/27)

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