先日、ブレイカーをSUPER CRYO ブレイカーに交換しました。と言っても、初めてではなく、2度目です。最初はアナログ専用回路で交換し、効果が確認できていたので、今度はCD使用回路で交換してみました。それまでは、スタンダードのクライオ処理のブレイカーを前段(CDプレイヤー、プリアンプ)、後段(パワーアンプ)別々に使っていましたが、とりあえずパワーアンプ専用回路だけ交換しました。クライオ製品については、かれこれ10年前にクライオL2のコンセントが評判になり徐々に認知されてきていて、僕もいろいろなグッズを使っていますが、ブレイカーは正直なところ半信半疑でした。でも、スタンダードのクライオ・ブレイカーでもかなりの効果があったのでスーパーとなれば、と期待していましたが、これほどとは、思いませんでした。そこで、2枚のCDを試聴し、その結果をお知らせします。
まず一枚目は、R・ガーランドの隠れ人気盤、‘ALL KINDS OF WEATHER’。デジタルK2・20bitK2super coding盤です。ジャケットも秀逸ですが、絶頂期のガーランドが聴かれます。ノーマル・ブレイカーの時は、dsが引っ込み、bももたつき気味で肝心のpと言えば残響音がきつく、システムをあれこれいじってみたがどれも大同小異でした。そこで、最後の手段?と思いクライオのスタンダードタイプに交換したら、結構改善されましたが、まだ、不充分。本盤のポイントはなんといっても輝きというか艶のある音色で玉を転がすようなフレーズを弾きだすガーランドのpです。
スーパー・タイプに換えたところ、それが出たのです。まだ、3、4日しか経っていないのでちょっと明るすぎるほどです。もうすこし、控えると丁度いい塩梅ではないか、と思います。それに、チェンバースのbも締りビンビンと前に出てきますし、テイラーのブラシさばきも鮮明になりました。やっとこの黄金トリオの真髄らしきものを感じるようになり、‘Stormy Weather’(10:35)、‘’Tis Autumn’(9:08)の長尺のものスロー曲もダレルことなく聴けます。
二枚目は、J・レイニーの癒し盤、‘TOW JIMS AND ZOOT’。マスター・サウンドのDSDマスタリング盤。本盤のキーポイントはズートのtsがくっきりと浮かび上がるかどうか、そしてJ・ホールのgのモコモコ感がどれぐらい解消されるか、です。まず、ズートのtsですが、もともと少し奥に引っ込んで録音されているせか、前面に迫り出してくることはありませんが、エッジの利いた音色で普段よりシャープに浮かび上がるズート、聴きものです。これでなくちゃあ。ホールのgは多少のモコモコ感は残りますが、弾力感は遥かに向上しています。
それよりもレイニーのgの素晴らしい音色と弾けるようなフレージングに耳を奪われます。中でもホール作のバラード‘All Across The City’ではホールではなくレイニー一人で淡々とメロディアスなソロをはじくプレイに彼の本当の力量に改めて驚いてしまう。それと、もう一曲のホールのオリジナル‘Move
It’はロリンズとの競演盤‘BRIDGE’の‘St JON’と曲想が似ていて、ロリンズへの敬意の念が窺えます。この曲でのTWO
JIMSのインタープレイは短いながらゾクとします。ズートも素晴らしい。
2枚のCDを聴いただけですが、このスーパークライオ・ブレイカーは、「音」に芯を入れる効能があることが判りました。
ケーブル類をあれこれ取り替える前にブレイカーを1本換えてみるのも一つの手です。
(10/3)