呟 き
(1) TP・ワン・ホーン・カルテット、 マイナーな 名盤三題
THE RINGER / CHARLES TOLLIVER
POLYDOR 583 750
CHARLES TOLLIVER (tp) STANLEY COWELL (p) STEVE NOVOSEL (b) JIMMY HOPPS (ds)
RE−ENTRY / CHARLES SULLIVAN
WHYNOT PA 7152
CHARLES SULLIVAN (tp) KENNY BARRON (p) BUSTER WILLIAMS (b) BILLY HART (ds) RENE McLEAN * (as)
IN MY OWN SWEET WAY / WOODY SHAW
IN + OUT 7003-1
WOODY SHAW (tp) FRED HENKE (p) NEIL SWAINSON (b) ALEX DEUTTSCH ds
もし、何も聞かされず、教えられず、このレコードを聴き終えたならば、この演奏は、ずっと耳から離れないであろう。正確に言えば、A面の2曲だけがtpカルテットだが、それで全て、といっても過言ではない。
C・サリバンと言っても、今となっては首をひねる人の方が多いかもしれない。だが、このレコードは忘れてはならないし、一度聴けば決して忘れられない程、素晴らしい出来映えになっている。
一曲目のアップテンポでドライブ感溢れる演奏は、圧巻。聴き手の神経を捉えて離さない。ペットが冴えに冴え渡るし、バロンのPの凄みはなんと表現すればよいのか?
近頃、巷で評判の「The Moment」の演奏がまるで余興のように聴こえる。いくら褒めても、素っ気ない言葉が返ってくるのも当然。バロン自身、一番良く知っているからだろう。
一転して2曲目のバラード「ボディ&ソウル」。うぅーん、痺れます。力量を問われるバラード演奏だが、実に堂々としたプレイに言葉を失う。
知られざる名演とは正にこのことであろう。
89年、非業の死を遂げたSHAWの晩年期にドイツでライヴ録音されたレコード。本国でなく、ヨーロッパで録音されたジャズ・レコードに傑作が多いのは、偏見なく、ミュージシャンとして正等な扱いを受けるからであろう。
ここでのSHAWもリズム・セクションだけをバックにシンプルに大らかにペットを吹いている。
それだけに、余分な力が入らず、リラックスしたプレイの中に、SHAWの真髄が鮮明に浮き彫りされている。
一曲目の‘Organ Grinder’のゆったりとスムーズな出だしを聴いただけで、このレコードの良さが推察できてしまう。不勉強で他の3名については、全く知らないが、ツボを心得た安定したリズムを送り出し、SHAWをサポートしている。特にPのHENKEが、イイ味をだしている。
全篇、ミディアムデンポからスローテンポで構成され、最終曲の‘Estate’の名旋律をボサ・リズムに乗せて、さりげなく歌うSHAWのソロは長年、過小評価され続けてきた悲運さえも忘れさせるほどに美しく響き渡っている。
低く深くなにかを堪えるようにして、短くも一気に吹く決めフレーズに胸が締め付けられる。
1969. 6.2
1976
1987
訂正 「MUSIC INC」の一般的な第一作目(ポリドール)の原盤はストラタ・イースト盤でした。
(2003.2.7)
(2003.2.7)
(2003.2.7)