1967
BLUE NOTE BST 84034
LEE MORGAN (tp) JACKIE McLEAN (as) BOBBY TIMMONS (p)
PAUL CHAMBERS (b) ART BLAKEY (ds)
BLUE NOTE 4091
(BNJ 71010)
TOMMY TURRENTINE (tp) CHARLIE ROUSE (ts) SONNY CLARK (p)
BUTCH WARREN (b) BILLY HIGGINS (ds) IKE QUEBEC * (ts)
いつの間にか‘一家に一枚’と言われるまで超有名盤に登りつめてしまった感のある「クール・ストラッティン」の影で、ブルー・ノート最後のリーダー作(本人としても)となった本作は、どこかしこ苦悩を漂わせるジャケットのように泣いています。
メンツは確かにひとまわりもふたまわりも小粒。
だが、30pの黒い円盤に秘められた、ジャズ・スピリッツは、一歩も引いてはいない。
ドスの効いたラウズのts、線は細いが、芯のあるトミーのtp、まるで絶好調かの如き名フレーズを弾き出すクラークの指さばき、そして、曲の良さが聞き手を離しません。
アイク・ケベックの入った1曲を殊更、褒める評を見かけるが、もの書屋の宿命と流せばいい。有ると無かろうと、クラークの肝は据わっています。
クラークのオリジナル3曲、どれも魅力的だが、トミーの‘ミッドナイト・マンボ’が聴く度に何故か惹かれる。タイム盤の自己リーダー作でも良い曲を書いている。意外な才能の持主。
「クール・ストラッティン」との対決は如何に?
真打は、‘Melody For C’ x ‘Deep Night’だが。
他の3曲ならともかく、この演奏だけは相手が良すぎる。
それはともかく、この2枚、決定的な違いがある。それは、演奏から感ずる時代性です。50年代と60年代、3年以上の差だ。最後は好みの問題でしょうか。
「愛聴盤」とは、月に何回、聴くのか?なんて、野暮な話ではなく、仕分けされたレコード棚に整理されず、雑然とでもいいから何時でも手の届く所に、いつの間にか置いてあるレコードで良いのではないか?
マイルスのこの1枚はそういう意味で愛聴盤のひとつである。硬派の人たちは、眉をひそめるかも知れない。
このレコードは、禅問答ではないが、遠いようで、近く、近いようで、遠い、、ジャズ史上最高のカリスマ性を持つマイルスの本音を解りやすく、具現化した作品でもある。要するに、最上のアーティストであり、同時に最上のビジネスマンと言っていいと思う。
甘く流れてしまいそうなタイトル曲に、ハードボイルドなコルトレーンにもソロを吹かせ締めたと思えば、、ケリーにシングル・トーンで愛くるしいソロを二度も弾かせて終わる。その間を縫ってミュートで迫る、これは、もう悪魔の仕業だ。
聴き手の心理をここまで読んだ仕掛けができる人は、マイルスを除いて他にはいない。
他の曲もバラード、コルトレーン入りのスパニッシュ等、マンネリ化を避けた心憎いプレゼンテーション。
それと、ジャケットだ。こんな風に女性をバーンとメインにしたのも彼としては初めてではないか?
ブルーノートのジャズぽさ、プレステージの男ぽさ、とはかけ離れ、タイトルに合わせたヴィジュアルは、明らかにジャズ以外の音楽ファンをもターゲットにしている。恐ろしい男だ。
だから‘空前にして、絶後のレコード’と、僕は評価し、愛聴している。
COLUMBIA CS 8456
MILES DAVIS (tp) JOHN COLTRANE * (ts) HANK MOBLY (ts)
WYNTON KELLY (p) PAUL CHAMBERS (b) JIMMY COBB ( ds)
このレコードは、その昔、「幻の名盤」読本で紹介され、ずっとオリジナルを狙っていた。ある時、都内の廃盤屋で、これを見つけたが、レーベルは勿論、、[DAWN]だったが、裏ジャケットでレコード会社が、[SEECO(シーコ)]となっていた。
[DAWN]と[SEECO]の関係をしっかり覚えていなかった事と、[SEECO]が結構、他レーベルを再発している事が頭の中でこんがらがってしまい、結局、買うのを止めてしまった。
でもやはり、それがオリジナルのようだ。その後、一度だけ他の店で見かけたけれど、程度が悪かったので諦めたが、それから、なかなか‘縁’がない。
だから僕の持っているのは、国内盤だけど、結構、音が良いので今のところ不自由はしていない。
さて、肝心の中身は?と言えば、評判通り、素晴らしい。硬派の人は、たいした事ない、と言うが、聴き方のスタンスの違いと思う。よく、ズート・シムスと比較されるけれど、シムスの書体でいう楷書体ソロと違ってコーンのソロは、行書体だ。
楷書体の方が解り易く、一般的にインパクトが強いので人気はズートのほうがあるが、アルのソロは垢抜けしており、野暮ったく?もなく、軽妙なのだ。このあたりが分れ道。
力量がどうのこうの、と言っている訳ではないので、ズートファンの方、悪しからず。
例えば、スタンダード曲‘Softly as In ・・・・・’のスタートやソロの組立て方なんかを聴けば、その違いが顕著だ。
「ON THE SAXOPHONE」は、コーンがやはり一級のミュージシャンだと認識させる紛れも無い名盤として愛聴している。また、オリちゃんを捜そーと。
DAWN DLP 1110
(SL−5133−ch)
AL COHN (ts) FRANK REHAK (tb) HANK JONES (p)
MILT HINTON (b) OSIE JOHNSON (ds)
1960
1961
1956
1961
(2003.2.7)
(2003.2.7)
(2003.2.7)
(2003.2.7)
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